診断士の理論政策更新研修について

 国家資格である中小企業診断士は、他の士業と大きく違う点があります。

 それは「更新登録制度」がある点です。

 これは、5年ごとに資格を更新する必要があり、2つの要件をクリアしないと更新できない(つまり足掛け5年かけて取得した資格が喪失してしまう)という更新制度です。

 その要件の一つは「実務従事要件」といい、実際の診断助言業務にこの5年間で30日以上従事すること、もう一つは「専門知識補充要件」といい、理論政策更新研修受講を同じ期間に5回以上行わなければならない、ということです。

 私は今年5月に診断士資格を初登録しましたので、次の更新時期である5年後の2027年5月にまでに、この要件を満たす必要があるのです。

 そしてこれらの要件のうちの理論政策更新研修を、8月までに2回分受けることになりました。

 その一つが「中小企業のITシステム導入支援の勘所」という研修で、計6時間の研修時間を3時間ずつ2日に分けて行います。

 この研修は、中小企業がITシステム導入を進めるに当たり、注意すべき8つの失敗要因とその対策方法を学ぶことで、支援者に必要とされる知識・方法について理解を深めることができ、それにより、中小企業の個々の事情に応じた最適なITシステムを導入する上で、支援者に必要とされるIT導入支援力の強化を図るとするものです。

 もう一つの研修が「低コストで進めるIoT導入支援」というもので、こちらも計6時間の研修時間を3時間ずつ2日に分けて行うものです。

 これは、小規模事業者の生産性向上に向けて、IoT導入支援をしたい人を対象に、多額のコストをかけずにIoTを導入した事例を取り上げながら、支援のポイントについて整理していくもので、具体的には、IoT導入支援に必要とされる、経営課題の設定、課題解決策の検討、IoTを活用した改善策の明確化、IoT導入に向けたアクションプランの策定方法について学ぶものです。

 いずれも自分のサービス提供しようとしている「業務効率化支援」に見合うものであるため受講するもので、それにより専門知識補充要件5回のうち2回も取得できる、それこそ一粒で二度おいしいことになります。

 それこそ自らの効率化の実践といえるのではないでしょうか。