インボイス制度の研修

 私が所属している東京地方税理士会横浜中央支部が主催する研修会に、ZOOMで参加いたしました。

 今回のテーマは、来年10月に施行される、消費税のインボイス制度についての留意点についてで、講師は金井恵美子税理士が務められました。

 消費税のインボイス制度とは、例えば物を販売する業者が、販売先に対し請求書というものを交付して代金の請求を行う際に、その業者がインボイス制度に見合う書式を備えている請求書を発行することにより、販売先は消費税上の費用に計上できる、という制度です。

 販売先は特定期間のもらう消費税から払う消費税を差し引いた差額を税務署に納めるため、払う消費税が多ければ納める金額が少なくなります。

 いままでは、特にそのような請求書がなくても、払う消費税をそのまま税務署に申告書という書類に記載して提出できましたが、このインボイス制度では、払う消費税が決められた書式で書かれた請求書を手元に保管しないと払う消費税として認めない、ということです。

 要するに、今までは払う消費税を証拠がなくても申告書に記載すればよかったのですが、来年10月からは、税務署に認められた販売者が発行する請求書でなければ、払う消費税に入れることはできない、ということになります。

 これは、いままで払う消費税をごまかして申告書に記載して、差し引き納める消費税を少なくしたり、もらう消費税より払う消費税が多くして差し引き分を税務署から返してもらう金額を多くするといった、不正行為が後を絶たないことが、導入の大きな要因です。

 ちなみに、消費税と同じような制度がある欧米では、このインボイス制度は当たり前の制度となっていますが、日本では導入時期から事務負担軽減のため、税務署に申告する側の良心に従うやり方となっています。

 以前からこのような不公平な問題があったので、消費税導入から33年を経てようやく欧米並みの制度となったというわけです。

 このような新しい制度導入には、国のみならず、税理士の支援が制度の定着に不可欠なので、法律が公布された以上は協力していきたいと思います。