ブラームスのピアノ協奏曲

 クラシック音楽シリーズ第4弾として、ブラームスのピアノ協奏曲について論じたいと思います。

 ドイツロマン派の代表的な作曲家であるヨハネス・ブラームスは、生涯2つのピアノ協奏曲を作曲しました。

 第1番ニ短調作品15は1857年、ブラームスが25歳の時の作で、完成までに4年を費やしているとのことです。

 曲調はピアノ付きの交響曲ともいわれるくらいの重厚さで、ティンパニーが連打して、あたかも嵐の中で荒波がうねっているような雰囲気で始まります。

 古典派の協奏曲形式と同じく、長いオーケストラだけの前奏ののち、ピアノがソロで静かに弾き始め、だんだんとその嵐の中を彷徨う様に曲が流れていきます。

 あまりに長くなりますので状況描写はこのくらいにしますが、私は高校生時代にこの曲が大好きで、当時カセットテープにライブ録音されたもの(日本人演奏家でした)を何度も聞いたり、当時来日した演奏家(レオナルド・ゲルバーでした)の生演奏を聴きに行ったり、レコードではエミール・ギレリス、のちにCDではウラディミール・アシュケナージの演奏をよく聴きました。

 一方、第2番変ロ長調作品83は1881年ブラームス48歳の円熟期の作品です。

 曲は交響曲のように第2楽章にスケルツォを配した4楽章形式で、ピアノも初めからホルンとともに登場し、第1番の短調に対して長調と、ロマン派の中でも新古典派ともいわれたブラームスとして、まさに円熟の極みともいえる進化を見せております。

 こちらは第1番ほどの好みではありませんでしたが、その後は第2番の良さもわかり始め、今では好きな曲の一つとして、少なくとも月に最低1回は聴いております。

 よく聴く演奏家エミール・ギレリスのもので、かつて高校生時代に聴いていたレコードはすでに買い取りに出していましたが、あれから四十年ほど経った頃改めてギレリスの演奏を聴きたいと思い、ネット上で販売しているハイレゾ化したアルバムを購入して、今でも愛聴しております。

 やはりクラシック音楽は時代を超えて鑑賞するに十分な芸術的価値を持っていますので、それこそ死ぬまで聴き続けていくでしょう。